Rita マーケティング

艫居 美穂子|日報のない10日間——能登から来た大学院生が、90分の進行を任された夏

Ritaマーケティング / 学生の方へ / 10日間の記録 01

2026 SUMMER INTERNSHIP / 10日間の記録 05

今日この90分が終わったあとに、自分は働くうえで何を大切にしたいんだろう、ということが明確になっていたら、この時間は成功だと思っています。

艫居 美穂子さん|金沢大学 大学院(2026年夏の参加時)/神奈川県出身・石川県在住

艫居 美穂子さん|2026年リアン株式会社サマーインターンシップ
2026年夏、滋賀県大津市。10日間の途中から合流しました。

P R O L O G U E

この記録には、日報がありません。

ほかの4人の記録は、10日分の日報が土台になっています。毎日ひとつ目標を立て、結果と気づきを手書きで残したものです。艫居さんは途中からの合流だったため、その10日分がありません。

ですから、この記録は、ほかの人が書いた日報と、本人が公の場で話した90分から組み立てています。本人が自分について語った言葉は、まだほとんどありません。

それでも、この人がその90分で何をしたかは、記録に残っています。全国の大学生に向けたイベントの、いちばん最初の挨拶です。

今日は一般的な会社説明会とは少し違います。もちろんリアンがどのような会社なのかについてもお話しします。ただ、今日いちばん持って帰ってほしいのは、リアンってこういう会社なんだ、という情報だけではありません。

自社のイベントの冒頭で、自社の情報を持ち帰らなくていい、と最初に言い切った人です。

この記録は、こんな人に読んでほしいと思っています。

  • 大学院にいて、就職活動の進め方が同級生と違う
  • 地方にいて、興味のある会社が遠い
  • すでに動いているチームに、あとから入るのが苦手
  • 自分の研究や活動と、就職を、どうつなげればいいか分からない

01あとから、すでに動いているチームに入る。

10日間の途中、艫居さんが合流した日のことです。

あとから入る側は、たいてい居心地の悪さを引き受ける側になります。話題はもう出来上がっていて、内輪の呼び方があり、進み方の暗黙の了解がある。

その日、すでにいたメンバーのひとりが、日報にこう書いていました。

今日から合流する方に気まずい思いをさせないように、すぐになじめるようにたくさん話しかける。
→ 共通の趣味を見つけて、けっこう仲良くなれた。インターンに来て、一番グループワークができた気がした。

同じ10日間を過ごした学生の日報より

新しい人が入ってきた日が、そのチームにとって、いちばん良いグループワークの日になっています。あとから入る人が何をしたのかは、こういうかたちでしか記録に残りません。

艫居 美穂子さん|2026年サマーインターンシップ・合流した日にメンバーと話す
合流した日。迎えた側は「たくさん話しかける」と書き、入った側はこの顔で話していました。

0290分の進行を、任された。

10日間の終盤、学生たちは全国の大学生に向けたオンラインのイベントを開きました。企画も、台本も、進行も、司会も、登壇も、すべて学生です。艫居さんは、その司会・進行を担いました。

冒頭、参加者への最初の問いかけは、こうでした。

皆さんは、何を基準に会社を選ぼうとしていますか。仕事内容でしょうか。お給料でしょうか。一緒に働く人だったり、職場の雰囲気。自分が成長できる環境かどうか、会社が安定しているかどうか。……もしかしたら、まだ就活を始めていないから全然分からない、何を基準にしたらいいのか分からない、という方もいるかと思います。

そして、答えが返ってこないことまで、あらかじめ引き受けています。

でも、全然、今この答えが見つかっていなくても大丈夫です。むしろ、その答えのヒントを見つけることが、今日のこの時間です。

90分のあいだ、この人は自分の話をほとんどしていません。話したのは、社会人2年目の社員、インターンの学生3人、営業部のリーダー、そして代表です。艫居さんの仕事は、その5人の話を、聞いている人の問いにつなぎ直すことでした。

(社会人2年目の社員の話を受けて)最初から自分の軸は決まっていたわけじゃない、というところが印象に残りました。やってみて、考えて、実際にやって、迷って、違和感を感じて、その経験の中から見えてくるものもあるんだと改めて感じました。

(学生の登壇を受けて)やる前から「私これ苦手かも」って、つい自分の可能性に線を引いてしまうことがあるのかなと思って。

いずれも、2026年9月3日・学生未来サミット2026での発言より

艫居 美穂子さん|学生未来サミット2026の司会・進行
2026年9月3日、学生未来サミット2026の配信現場。90分の進行を任された、その場所です。

03誰かのために動いた瞬間。

質疑応答の時間です。オンラインで参加している学生に、手が挙がりませんでした。

こういうとき、司会は「ご質問がなければ終わります」と言うことができます。艫居さんは、そうしませんでした。まず、その場にいたインターン生に先に聞かせ、場を温めています。それでも参加者から手が挙がらないと分かると、自分で質問を作って、代表に投げました。

就活だけじゃないかもしれないんですけど、就活してる中で、やっぱり不安になったりとか、特に周りと比べてしまったりみたいな部分もあったりするのかなと思うんですけど、そうなった時に、どういう風に気持ちを切り替えたらいいのか。皆さんも多分そういうふうに思うことが多かったりするのかなと思うので、ここら辺のヒントをいただけたらなと思うんですが、いかがでしょうか。

2026年9月3日・学生未来サミット2026での発言より

「私が聞きたいので」ではなく、「皆さんも思っていることだと思うので」と前置きしています。聞きづらいことを、自分が代わりに聞く、という役の引き受け方です。この質問への答えが、その日いちばん実務的な内容になりました。

クロージングでも、最後まで同じ立場に立っています。

企業説明会は、企業に自分を選んでもらうための場所だけじゃなくて、皆さん自身も、この会社って自分に合ってるのかなっていうのを確かめる場でもあるので。

そして私から最後にお伝えしたかったのが、就活に共通する正解はないということです。

同上

主催者の側に立った人が、最後まで、参加者の側の利益で話し切りました。

艫居 美穂子さん|2026年サマーインターンシップ・場に向かって話す
この10日間で艫居さんが担ったのは、自分を見せる役ではなく、人の話を通す役でした。

04事実で見る、この夏。

期間2026年8月24日(月)〜9月4日(金)の実習に、途中から合流
場所滋賀県大津市・リアン株式会社
参加学生6名/3つの大学(京都産業大学・金沢大学・立命館大学)。艫居さんは、このなかで唯一の大学院生です
担った役割学生未来サミット2026(2026年9月3日・オンライン・90分)の司会・進行。企画・台本・進行・登壇のすべてを学生が担当し、艫居さんは全体の進行を担いました
進行した内容開会の挨拶と目的の共有/グランドルール/社会人2年目の社員の話/インターン生3名の登壇/営業部リーダーの話/代表の講話/質疑応答/クロージング。登壇者は5名
背景神奈川県出身。現在は石川県在住。普段は能登の復興まちづくりに関わっています
移動石川県から滋賀県大津市へ。交通費・宿泊費は自己負担です
艫居 美穂子さん|2026年サマーインターンシップ・進行役として場を組み立てる
「ご質問がなければ終わります」と言わなかった人です。手が挙がらないと分かると、自分で質問を作りました。

05一緒に働いた大人は、何を見ていたか。

イベント終了後、代表・時 昴から

本当に素晴らしい進行と、ほぼ丸投げでここまで作り上げてくださったこと、本当に感謝しています。

代表の講話より(90分を受けて)

もうね、私は泣けましたよ。この司会進行から始まって、社員の話があって、インターン生3人の話があって、営業部リーダーの話があって。人ですね、と思いました。私の価値観が大きく変わった瞬間かもしれません。
——この言葉は、90分全体を受けてのものです。その90分の設計と進行を担っていたのが、艫居さんでした。

艫居 美穂子さん|2026年サマーインターンシップ・実習中
「ほぼ丸投げでここまで作り上げた」と代表が言った、その進行を担った人です。

時 昴から見た、艫居 美穂子という人。

この夏のことを、私はおそらく一生忘れないと思います。学生に何かを教えた、という感覚だけではありません。むしろ私自身が、彼らからたくさんのドラマを見せてもらい、たくさんのことを教えてもらいました。

艫居さんについては、はっきりしていることがあります。あの90分を、私たちはほとんど渡しただけでした。台本も、問いの立て方も、順番も、この人が組み立てています。私は、出来上がったものを見て泣いていた側です。

もうひとつ。この人は、あの90分のあいだ、一度も自分を売り込んでいません。司会という立場を、自分を見せる場所ではなく、ほかの人の話を、聞いている人のところまで運ぶ仕事として扱っていました。質問が出ないと分かったときに、自分で問いを立てて私に投げてきた場面が、それをいちばんよく表しています。

私は、この人に200社、300社から声がかかってほしいと思っています。「他で採用されなかったからリアンに来てほしい」とは、まったく思っていません。むしろ逆です。多くの会社から「この人と働きたい」と思われる人になってほしい。そのうえで、数ある会社のなかからリアンを選んでくれたなら、これほど嬉しいことはありません。そして私たち自身もまた、そんな彼らから選ばれる会社でなければならない。そう思っています。

リアン株式会社 代表取締役 時 昴

E P I L O G U E / 未来の採用担当者へ

もし数年後、艫居 美穂子さんの名前を検索して、このページにたどり着いた方がいたなら。

はじめにお伝えしておきます。このページは、まだ途中です。

艫居さんは途中からの合流だったため、ほかの4人のような10日分の日報がありません。ですから、この記録には、本人が自分について語った言葉がほとんど入っていません。入っているのは、本人が、ほかの人のために話した言葉だけです。

それでも、私たちが見たものは書けます。神奈川で育ち、石川に住み、能登の復興まちづくりに関わっている大学院生が、滋賀の小さな食品メーカーの実習に、自分の交通費で、途中から入ってきました。そして10日も経たないうちに、全国の大学生に向けた90分のイベントの進行を、ほぼ一人で組み立てて、やり切りました。

その90分で、この人は自分の話をしていません。最後まで、聞いている側の利益で話し切りました。

能力は、これからいくらでも身につくと思います。でも、誰かのために本気になれること。自分が目立たない役を、進んで引き受けられること。そういうものは、履歴書の一行にはなかなか現れません。

だから私たちは、この夏を、ここに残しておくことにしました。採用をお願いしているのではありません。私たちが見た事実を、未来に置いておくだけです。

2026年夏/リアン株式会社・Ritaマーケティング
※ このページは、ご本人への取材ののち、本人の言葉を加えて更新する予定です。

2026年リアン株式会社サマーインターンシップ最終日の集合写真
最終日、修了証書を手にした参加者と、代表・時 昴。2026年9月4日。
艫居 美穂子さん|2026年サマーインターンシップ・90分を終えて
90分が終わったあと。主催者の側に立った人が、最後まで参加者の側の利益で話し切った、その日の顔です。

※ このページの引用は、2026年9月3日に学生自身が企画・進行した公開イベントでのご本人の発言と、同じ10日間を過ごした学生の日報です。掲載の許諾をいただいたうえで載せています。
※ 社員の氏名は、当社の方針により記載していません。
※ 実習期間:2026年8月24日〜9月4日/滋賀県大津市・リアン株式会社

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